オートバイ総記(青とウロウロ)

青さん(GSR250S)との極上の日々(^O^)/を不定期に綴っています。

滋賀県の端っこ巡りツーリング(東の端っこ編)石榑峠・竜ヶ岳

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滋賀県の端っこ巡りツーリング」の第2回目です。
前回は「西の端っこ」として,青さん(GSR250S)と朽木生杉の「三国峠登山口」まで行って,「個人的西の端っこ」として認定させていただきました。
さらに念願の「おにゅう峠」にも行き,遠く日本海を望むこともできました。

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そして,今回の目的地は「東の端っこ」。
滋賀県の「バイクで行ける東の端っこ」って,いったいどこなのでしょう?

パッと頭に浮かんだのは,R421旧道の石榑峠
これは,たぶん間違いないでしょう。
でもまあ一応,念のためにということで,前回同様,Googleマップで確認してみました。

 

!!!なんと!!! 

 

候補地となりそうなところが3か所もあるじゃないですか!?
その3か所を拡大して位置情報を見てみると,北から,
①R365の「米原市藤川」先(東経136度43分72秒)
②R306の「鞍掛峠」(東経136度24分56秒)
③R421旧道の「石榑峠のゲート」(東経136度44分16秒)
となっています。

やっぱりというか,よかったというか,R421旧道の「石榑峠のゲート」が最東端ということで間違いなさそうです。

この「R421旧道」と「石榑峠」は,ツーリングを始めた2014年から「いつかは行ってみたい」と思っていた場所なんです。

 

「R421旧道」は,滋賀県東近江市三重県いなべ市を結ぶ道路として「石榑トンネル」が開通するまで,道路幅の狭さ,カーブの多さ,坂の勾配などの状況から近畿地方を代表する「酷道」として一部マニアの間では有名な道路でしたし,県境となる「石榑峠」には,「車重2t以上」「車幅2m以上」のクルマの通行を禁止するため,中世ヨーロッパの城門のような「コンクリートブロック」のゲートが設置されていて,その力任せのような通行制限方法が話題になっていました。

 

ツーリングで訪れるスポットとしては,実に魅力的じゃないですか!

すぐにでも行ってみたい!!

でも反面,その過酷さから「中途半端な技術や気持ちで足を踏み入れる場所ではない」と尻込みしたり,度重なる風水害で道路そのものが通行できなくなっていたりというようなこともあって,近場でありながら,なかなか訪れることが叶わなかった場所でもあるんです。

その「R421旧道」と「石榑峠」に,遂に行くことになるんです。

まあ,これを狙って「端っこツーリング」を企画したとも言えるんですけどね。

 

ところで,前回でも書きましたが,この「滋賀県の端っこ巡りツーリング」では,4つのミッションを設定しています。

滋賀県のバイクで走って行ける東西南北の端っこまで行ってみる。

②目的地近くの山歩きを楽しむ。

③山頂・峠でコーヒーを豆から挽いて飲む。

④道中で滋賀の地酒とスイーツをお土産として購入して帰る。

今回の「東の端っこ」編でも,これら4つのミッションをクリアしながら,ツーリングを楽しんでみたいと思います。

 

ということで,早速,ツーリングをスタートします。

 

【10月6日(水)】午前8時30分出発

 

R8を北上,「友定町」の交差点を右折してR421に入り,一路「石榑トンネル」を目指します。

平日の朝ということもあって,通勤のクルマに加えて大型トラックやトレーラーも多く,なかなかペースが上がりません(^_^;)

しかも,どんどん空が暗くなって,永源寺ダムを過ぎたあたりで,とうとう霧のような雨が降り始めました。

さてさて,この先,いったいどうなるのでしょうか?

 

10時10分,道の駅「奥永源寺渓流の里」に到着(^O^)/


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ここでトイレ休憩と,ランチ用のパンを購入しました。

「では出発!」と売店から出たところ,霧のような状態を通り越して,はっきりと粒がわかるような雨に変わっているではないですか!

朝の天気予報では,「雲は多いが雨は降らない」と言っていましたし,午後からは晴れ間も出てくるようなことも言っていましたので,ここはしばらく様子を見ることにします。

待つこと15分。

ほぼ雨が止みました。

よし!このタイミングで出発です。

 

と,約5分,10時35分に「石榑トンネル」手前の旧道への入口に到着。

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さあ,それでは,かつては「酷道」として,滋賀県三重県を往来するドライバーを悩ませた道に初突入!

どんな道だったのか,しっかり味わいたいと思います。

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入口の看板がこれから先に続く道への興味を掻き立てます。


・・・・・・?


中間あたりまでは,若干道幅が狭い程度で,むしろ快適な道です。

ここから後半にかけて「酷道」の本領を発揮してくれるのでしょうか?

 

・・・・・・?

 

道幅は → 広くはないが,バイクにとっては問題なし。

カーブは → 連続するが,バイクにとっては楽しい。

傾斜は → アップダウンはあるが,250ccのバイクでも問題なし(山中越えの方がきついのでは?)。

後半は,所々,砂が浮いていたり,水たまりがあったり,落ち葉が溜まっていたりと,バイクにとってはうれしくない箇所もありましたが,全体を通せば「快適」に走れるルートでした。

 

ということなので,15分ほどであっけなく「石榑峠」のコンクリートブロックのゲートに到着(^O^)

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現在は三重県側の道路が廃道状態となっていることから,滋賀県側からは車重や車幅に関係なくコンクリートブロックのところで「通行止め」となります。

ゲートには太い鎖がかけられて,県境までは車両では行けなくなっています(徒歩なら鎖を潜り抜けて県境の看板まで行けます)。

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ということで,私が個人的に認定する「滋賀県のバイクで行ける東の端っこ」は,ここ「石榑峠のコンクリートブロックのゲート」といたします(^O^)/

まずはこれで,ミッション①達成です。

 

そして今日は,ここにバイクを置いて「竜ヶ岳」に登り,山頂でコーヒーブレイクしてミッション②③を達成するという計画でした。

しかし,天気が予想よりかなり悪いです。

雨は,ほぼ止んできてはいますが,風がめちゃくちゃ強い。

とても,コンロでお湯を沸かしてコーヒーを入れられるような状況ではありません。
しかも,山頂付近は厚い雨雲で覆われています。

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はっきり言って,私の登山技術では絶対にチャレンジしてはいけない状態です。

でも,せっかくここまで来て「竜ヶ岳」に登らずに帰るのは残念過ぎます。

とりあえず,天気予報の「午後から晴れ間も」の言葉を信じ,峠近くで風を避けられる場所を探し,天候回復を待つことにします。

と,峠から少し戻ったあたりに木立が風を防いでくれそうな平らな場所を発見。

焚火のあともいくつか残っています。

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ここにしましょう。

時刻は11時を過ぎたところで少し早いですが,ランチもいただいてしまうことにします。

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コーヒー豆は「ウタノ コーヒー ロースタリー」さんで購入した「ケニア ピンクフラミンゴ」の深煎り。

香りと苦みが強くて私好みの豆です。

少し峠からは外れた場所となってしまいましたが,一応これでミッション③達成とします。

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パンをほおばり,コーヒーの香りを楽しんで,ふと目を上に向けると,山頂付近が見えています。

相変わらず上空には強い風が吹いていて,大きな雲のかたまりがものすごい速さで走っていますが,青空もちらほらと見えてきています。

西の空にはもっと大きな青空が広がっていて,やはり天気予報の言っていたとおり回復傾向にあるようです。

さっさと片付けて「竜ヶ岳」山頂を目指しましょう。

 

「竜ヶ岳」は,鈴鹿山脈に連なる県境の山で,山頂付近のなだらかに広がる笹原の風景の写真を一目見て「ぜひ行ってみたい」と願っていた山です。
特にゴールデンウイーク頃の「シロヤシオ」の開花が有名で,雄大に広がる笹原にモコモコと白いツツジの花が点在する様が,まるで牧場の羊のようだと話題になり,大勢のハイカーで大賑わいになるようです。

 

今日は,シロヤシオの開花の季節でもありませんし,平日なので,静かな山歩きを楽しめるかなと思ってきたのですが,石榑峠の駐車スペースには10数台のクルマがすでに停められています。

 

なんとなく気持ちを焦らせながら,11時45分,山歩きスタートです。

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一応,バイクのブログですので,山歩きのことは詳しく書きませんが,本当に素晴らしい山でした。

樹林帯を抜けていく前半部分は急登も多く,ガレ場やザレ場も出現します。事故防止のためにもしっかりしたトレッキングシューズで臨まれた方がいいと思います。

山頂までの中間地点あたりに「重ね岩」という奇岩がありました。

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高度感がすごいです。

今日は単独行ですし,ここまでの登りでかなり足も疲れていますので,「重ね岩」によじ登るのは止めておきます。落ちたりしたら,ちょっとシャレにならない高さがありますので・・・。

 

ということで,小休止のあと,山頂を目指してリスタートしたところ,なんでもないような登坂で左足ふくらはぎに「プチッ」という感じで激痛が!

そのまま1歩2歩と歩いてみましたが,めっちゃ痛い!!

ひょっとして,これって「肉離れ」ってやつ?(・_・;

捻挫や痙攣はたくさん経験してきましたが,産まれてこのかた「肉離れ」は初めてです。

初めてなので「肉離れ」かどうかよくわかりませんが,とにかく「痛い」(涙)

10歩ほど進んでやっと「このままでは,やばい」と気が付きました。

ここは,ちょうど中間点あたり。ここまで登ってくるのに50分,ここから山頂まで50分。

登頂を諦めて下山するにしても,果たして歩けるのか?

とりあえずリュックからトレッキングポール(杖みたいなやつですね)を取り出して,それを両手に1本ずつ持って体を支えながら歩いてみると・・・。

なんとかなりそうです。

さらに,左の足首の向きをいろいろ変えながら痛みの少ない着地方法を試してみると,つま先立ちで地面に着地すると我慢して歩いて行けそうです。

そうなると現金なもので「大丈夫。これなら進める。山頂を目指そう」という気持ちが強くなってきます( ̄▽ ̄)

本当はこういう状態であれば「撤退」が正解なんでしょうが,元来の楽観的な性格もあって「この歩き方でさらに痛みがひどくなったら絶対撤退するから」と言い訳しつつ,山頂に向け再出発することになりました。

怪我の程度が軽かったのか,気持ちが勝ったのか,それ以上の痛みにはならず,ポールも使った4足(3.5足)歩行でずりずりと進んでいきます。

少し上って視界が開けたところで振り返ると!
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眼下には,先ほど走ってきたR421旧道が見下ろせます。

そして,見上げれば…

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まもなく森林限界を越えそうです。

そして遂に!

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13時,稜線に出ました!

爽快爽快!!疲れも吹っ飛ぶ爽快感!!

加えて、何もかもが吹っ飛ぶような強風も吹き荒れています。

樹林帯を抜けてからずっと風は強かったのですが,稜線に出ると一段と強く感じられます。

帽子のあご紐をしっかりしめて,一度リュックに片付けたウインドブレーカーを引っ張り出して着込みます。

地面に置いたリュックが強風で転がっていきそうです(^◇^;)

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東の方を見ると,思ったより近くに伊勢湾が見えます。

反対の西側を見ると,山々の間から琵琶湖が見えます。

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そして,これから進んでいく方向を見ると,

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夢にまで見た(大げさ過ぎる?)笹原の稜線が続いています(^O^)

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13時15分,山頂到着(^O^)/

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これで、ミッション②達成とします。

北の方角を見ると「シロヤシオ」がまるで「黒い羊」のように点在しています。

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満開の時期にも来てみたくなりますね。

他にも、いろいろなものが見えるようです↓
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双眼鏡を持ってくればよかったのですが,なくても山頂付近をぐるぐると回りながら360度の風景を満喫できました。

もっと長い時間見ていたいと思わせる景色ですが,風の強さは相変わらずで,左ふくらはぎのこともあるので,そろそろ下山することにします。

 

13時30分,下山路は、極楽の稜線歩きからスタートです(当然ですね 笑)

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登りに比べると,下りは息が切れるようなこともないですし,トレッキングポールのおかげもあってふくらはぎの痛みも大したことなく,またモンベルのトレッキングシューズの驚異的な滑り防止ソールのおかげでガレ場ザレ場の下りも不安なく通過することができました。

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登り口には,ちゃんと青さん(GSR250S)が待ってくれています。

14時35分,峠の駐車場に戻ってきました(^O^)

 

さて,それではまたここからツーリングを再開します。

ふくらはぎの痛みは、バイクに乗ってる範囲では、大丈夫そうです。

R421旧道を石榑トンネルまで戻り,左折してR421を西に向かいます。

目指すは「ヒトミワイナリー」さん(^O^)/

R421沿いにお店があります。

地元でブドウ栽培からワイン造りまでを手掛ける地ワイン製造所で,「にごりワイン」が有名です。

 

15時10分,ヒトミワイナリーさんに到着。

私はワインのことはよくわからないんですが,ここのワインはフルーツ感が強い割に食前にも食事中にもよく合う気がします。

以前に来店したときにお店の人から「日本酒好きの人なら,ここのワインは合うと思いますよ。滋賀の地酒メーカーの方も自宅用にと買いに来られてますから」とおっしゃっていたとおり,滋賀の地酒が日本一と思っている私にとっては,たぶん日本一飲みやすいワインだと思います。

今日は,田舎式微発泡にごりワイン「h3-ikkaku」を2本購入。赤ワインです。

 

さあ次は,スイーツ購入ですね。

早速,出発しましょう。

まず,2kmほどR421を西に進み,左折して県道170号に入ります。

しばらく道なりに進み,近江鉄道の踏切を越えたところを左折して県道13号に入り,そのまま線路沿いを進んで「大学前」の交差点を右折して少し行って先の県道41号との交差点を左折して南下したところに,話題の酒かすスイーツのお店があります。

 

15時45分,「工房しゅしゅ」さんに到着です(^O^)/

ここは,滋賀県の有名地酒メーカーさんの酒かすを使った「チーズケーキ」や各種焼き菓子を製造販売しているお店です。

テレビや雑誌でも取り上げられることも多く,滋賀県では有名なお店です。

いちおしの「湖のくに 生チーズケーキ」は,6つの酒蔵の酒かすを使った6種類のチーズケーキで,それぞれ味わいが違うそうです。

前回は,「松の司」を買ったので,今回は「七本槍」にします。

いつかコンプリートしたいですね。

一応これで本日の予定は終了,ミッション④もクリアといきたいところですが,「地ワインと地酒はちょっと違うのでは?」という考えも頭をよぎりますし,ここまで来たら立ち寄らずに帰るわけにはいかない場所が近くにあります。

そう「松瀬酒店」さんに向かうことにします。

 

16時,「松瀬酒店」さん到着。

いつもなら,「松の司」の生酒4合瓶2本と「産土」1升瓶1本あたりを購入するところですが,今日はすでに地ワイン2本と生チーズケーキが青さんのトップボックスに入っています。

なので,純米吟醸「松の司」4合瓶1本だけで我慢することにします。

でもまあ,これで「地酒」も購入。

ミッション④達成です。

あとは,いつもの道を帰宅するだけと,走り出したところ,石榑峠を出発してからまったく写真を撮っていなかったことに気づきました。

まあいつものことと言えばそうなのですが,なんかブログ後半は文字ばっかりになってしまい,いささか味気ない。

ということで,家に帰ってから本日の戦利品の写真撮影。

まずは,ヒトミワイナリーさんの田舎式微発泡にごりワイン「h3-ikkaku」↓

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一旦,冷蔵庫に寝かせておいて,後日ゆっくりいただくことにします。

そして,工房しゅしゅさんの「湖のくに 生チーズケーキ(猪口入り)七本槍」と松瀬酒造の「純米吟醸松の司」,そして松の司の猪口に入った松の司のお酒↓

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こちらは,夕食のときにいただきました。

「松の司」は言うまでもなく,文句なしに美味い,旨い,うまい!

そして「生チーズケーキ」は,正直,以前に食べた松の司の生チーズケーキより,こちらの七本槍の「酒かす」とチーズケーキのバランスが絶妙に良いように感じました。

松の司の晩酌と七本槍のデザート,まさに「至極の夕げ」でした。

 

今回のツーリングの総括(^O^)/

滋賀県の端っこを目指すツーリングの第2回目として,東端の「石榑峠」へのツーリングは,念願の「コンクリートブロックのゲート」訪問と「竜ヶ岳」登山を達成できて,大満足のものとなりました。

雨,強風,砂の浮いたワインディング,急登,ふくらはぎの肉離れ等々,困難な状況もたくさんありましたが,実際にコンクリートブロックに触れることができ,また竜ヶ岳山頂付近の雄大な景色を目にすることもでき,本当に「行ってよかったあ~」と思えるツーリングでした。

燃費については,朝夕の混雑気味の道路事情もあって,青さんの奮闘もむなしく前回ほどには伸びませんでしたが,それでも大したものだと思います。

さすが,青さん!

 

総走行距離:145.9km
給 油 量:4.01リットル
燃   費:36.38km/リットル